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国産商品を輸出するその前に。「偽物」から商品を守るための「トレーサビリティ」とは

偽物から商品守るトレーサビリティ

国内の企業が受ける「偽物被害」。その被害額は1社平均1.8億円

「自社の製品を海外でも売りたい」
そう考えるビジネスパーソンは多いと思いますが、懸念材料のひとつが「偽物」です。
実際、日本企業は多大な被害を受けており、特許庁が実施した調査の推計によると、2014年の模倣被害総額は1,028億円、アンケートに回答した企業1社あたりの平均被害額は、(100億円以上を除く)1.8億円という結果に。

日本の模倣被害総額

模倣被害から救出してくれる「トレーサビリティ」

多額の模倣被害を受けている企業が多いなか、解決案として注目されているのが「トレーサビリティ」です。

「トレーサビリティ」とは、トレース(Trace:追跡)とアビリティ(Ability:能力)を組み合わせた造語で、日本語にすると「追跡可能性」という意味に。具体的には、目の前にある商品が消費者の手元に届くまでの過程、つまり「流れ」を追跡することが可能なんです。

トレーサビリティの流れ

ひとつの商品が消費者の手元に届くまでに、「原料を作り」→「原料をもとに製造する」→「製造したものを流通させる」→「流通したものを卸売りする」→「卸売りされた商品を小売する」といったような、工程が必要となります。

トレーサビリティとは、消費者がこの流れを知ることができるシステムなんです。

なぜ偽物対策に有効なのか?

信頼が大事なトレーサビリティ

流れを知ることができる「トレーサビリティ」。この“知る”ことにより、「信頼」が生まれるんです。

目の前にある商品が、どういった経由でここに辿り着いたのかを知れば、消費者は目の前にある商品が「本物だ」と感じます。また流れを知ることで、偽物が紛れ込んでいないか?といった真贋判定も可能に。だからこそ、トレーサビリティは偽物対策に有効となりえるのです。

トレーサビリティ導入にあたっての3つの課題

トレーサビリティを導入するうえで、起こりうる問題とはなんでしょうか?

課題1:運営コストの支払先はどこ?

一番は「コスト」です。トレーサビリティは、企業が連携して運営するシステムであるため、誰が費用を負担するのか?という問題が起こりえます。その問題を解決するため、企業間ではなく業界全体で取り組む必要があります。そのため、音頭をとる団体の存在が必要不可欠と言えます。

課題2:業界全体の理解

先述したように、企業が連携することで成り立つシステムのため、どこかの企業が「NO」といえば、トレーサビリティ導入は不可能に。各企業に説明と理解を深めることが重要となってきます。

課題3:情報偽装

トレーサビリティの情報が操作され、偽装がされてしまえば、信頼は失われます。そのためにも改変不可のテクノロジーの導入やシステムを監視する組織を作ることも必要に。

トレーサビリティが日本ブランドの向上に寄与する

日本ブランドの向上に寄与するトレーサビリティ

政府は2020年の訪日外国人旅行者を4000万人にする、という目標を掲げました。日本に注目する外国人が増えるいまは「メイドインジャパン」をアピールするチャンスと言えますね。
とはいえアピールするためには、環境整備もポイントに。その環境を整える基盤として有能なものが、「トレーサビリティ」です。

“トレーサビリティが日本ブランドの向上に寄与する”
これは阿部秀晴氏によるレポート「トレーサビリティシステムで創発される新たな付加価値」(2004年、野村総合研究所)に書かれた言葉です。

「メイドインジャパン」のブランド力の向上のために、何が必要か? いま、この問いを考えるときが来たのかもしれません。

参照元

・「トレーサビリティシステムで創発される 新たな付加価値」(阿部秀晴氏、野村総合研究所
http://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_8199330_po_cs20041005.pdf

・内閣府 知的財産戦略推進事務局「模倣品・海賊版対策の現状と課題」 https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/tyousakai/kensho_hyoka_kikaku/2017/contents_dai4/siryou4.pdf


・API blog「トレーサビリティとは何か? - ブロックチェーン技術の応用例 –」
https://www.apibank.jp/contents/news/traceability-system/

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