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清水建設

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渋沢栄一の経営指南を受けた大手総合建設会社

今日は、スーパーゼネコン5社(清水建設、大林組、鹿島建設、大成建設、竹中工務店)の中の一角を占める、清水建設を紹介します。清水建設は、明治中期に渋沢栄一の経営指南を受け、営業方針として民間建築を主軸とするよう指導を受けました。それ以来、民間の建築工事に強みがあります。受注活動では、大手他社と異なり、採算度外視の大型工事を避け、中小の物件の受注にも積極的です。得意分野は、建築では医療機関、土木ではLNGタンクの施工であると言われています。さらに、歴史的な経緯から、伝統的な神社建築、寺院建築にも豊富な実績を有しています。

清水建設の沿革

1804年(文化元年) 初代清水喜助が江戸の神田で創業(喜助は現在の富山市出身で、大工となり、日光東照宮の修理に参加した後、江戸に下る)。

1838年(天保9年) 江戸城西の丸焼失後の再建工事に参加。

1858年(安政5年) 井伊直弼より、開港地・横浜の外国奉行所などの建設を請け負う。

1859年(安政6年) 初代喜助死去。養子の清七が2代清水喜助となる。

1868年(明治元年) 幕府の依頼で建設を始めた築地ホテル館(外国人旅館)が完成。

1872年(明治5年) 海運橋三井組ハウス(後の第一国立銀行)が完成。

1881年(明治14年) 2代喜助死去、養子の清水満之助が跡を継ぐ。

1887年(明治20年) 満之助死去、8歳の長男が四代満之助襲名、未亡人や支配人が経営を引き継ぐ。先代満之助の遺言により渋沢栄一を相談役(1916年まで)に迎え経営指導を受ける。

1892年(明治25年) 渋沢栄一の仲介で法律学者、穂積陳重の案により清水家家法を定める。

1915年(大正4年) 合資会社清水組となる。

1925年(大正14年) 鶴見騒擾事件起こる。(清水と間組の下請けの喧嘩)

大正から昭和にかけて大建築を多く手掛け、建設業のトップの地位を築く。

1937年(昭和12年)8月25日 あらたに株式会社清水組を設立、合資会社清水組を合併する。

1948年(昭和23年) 清水建設株式会社に商号変更。

1961年(昭和36年)4月 株式を東京店頭市場に公開。

1961年(昭和36年)10月 東証2部に上場。

1962年(昭和37年)2月 東証1部に上場。

1962年(昭和37年)10月 名証・大証各1部に上場。

1971年(昭和46年)不動産事業に進出

1987年(昭和62年)アイマーク、コーポレートカラーを制定

1991年(平成3年)本社を宝町から東京都港区浜松町のシーバンスに移転

1995年(平成7年)阪神大震災で被害調査、復興活動

2008年(平成20年)7月1日 旧京橋本社の場所に新本社ビル新築と平成23年秋の本社移転計画を発表。平成21年4月着工。平成23年9月高層棟、平成25年2月低層棟完成予定。

2012年(平成24年)東日本大震災で津波被害を受けた仙台市内に復興活動と事業展開の一環として、他企業と合同でスマートシティ開発を進める事を発表。

2012年(平成24年)8月 本社をシーバンスから東京都中央区京橋に移転

2013年(平成25年)ISO22301、ISO50001 を国内で初めてエリアとして取得(京橋エリア)

2015年(平成27年)技術研究所に先端地震防災研究棟 完成

2016年(平成28年)熊本地震 被害調査・復興活動

2017年(平成29年)次世代型生産システム「シミズ・スマート・サイト」を開発

2018年(平成30年)東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会 オフィシャルサポーター契約を締結

2019年(令和元年)新長期ビジョン「SHIMZ VISION 2030」策定

主な事業の概要

「建設事業(建築、土木、海外建設)」を柱に、非建設事業である「不動産開発」「エンジニアリング」「LCV(ライフサイクル・バリュエーション)」「フロンティア」の4分野で事業を展開しています。

1 建設事業

オフィス、工場、学校、病院など、多岐にわたる建物の企画提案、設計、施工、運営・維持管理を行っています。医療・福祉施設の受注高は国内トップを誇るほか、創業者の清水喜助が日光東照宮の修理工事や江戸城西丸造営などを手掛けた由縁から、社寺建築・伝統建築にも多くの実績を持っています。また、自社内に木工事や木工製作を行う東京木工場があるのも特徴です。近年では、生産性向上に向け、ロボット技術を駆使した施工にも挑戦しています。

2 土木事業

トンネル、橋梁、ダムや都市土木、エネルギー施設など、土木構造物の設計、施工、リニューアルを行っています。1970(昭和45)年に日本初のLNG(液化天然ガス)地下タンクを完成させて以降、日本に現存する大型LNG地下タンクの約半数は当社が施工しています。また、東京湾アクアライン川崎トンネル浮島南工区、地下鉄大江戸線上広・元浅草工区、八ツ場ダム、東京外かく環状道路本線トンネル(南行)大泉南工事など、難易度の高い工事にチャレンジし、技術力と実績を着実に積み重ねています。

3 海外建設事業

1970年代から海外に進出し、約60カ国で施工実績があります。1974(昭和49)年にシンガポールに拠点を構えて以降は、東南アジアを中心に世界各国で、生産施設や超高層ビル、病院、橋、地下鉄などの建設に携わっており、各国の発展と人々の快適な暮らしに貢献しています。

4 不動産開発事業

建設事業で蓄積した技術とノウハウを活かし、オフィスビルや物流施設などの不動産開発を行っています。自社ブランドとして、オフィスビルは「アイマークビル」シリーズ、物流施設は「S・LOGi」シリーズを展開中です。 2011(平成23)年には不動産開発事業でも海外に進出。東南アジアでコンドミニアムやデータセンター、オフィスビルなどを手掛け、今後は北米にも事業エリアを広げていきます。

5 エンジニアリング事業

「エネルギー」「環境」「プラント」「情報」という基幹4分野のEPC(設計・調達・建設)事業に注力し、脱炭素社会と安全・安心・健康な生活環境の実現に取り組んでいます。

6 LCV(ライフサイクル・バリュエーション)事業

建物やインフラ、エネルギー、まちのライフサイクルにわたり、持続的な価値向上と利用者の満足度向上を実現し、サステナブルな未来を築いていく事業です。「BSP(ビルディング・サービスプロバイダー)」「エネルギー・インフラ運営」「ICT・スマート」の3事業が連携して、事業参画・投資を含めた包括的なサービス・ソリューションを提供します。

7 フロンティア事業

「海洋開発事業」「宇宙開発事業」「自然共生事業」「事業投資(スタートアップ)」の4つのフロンティア分野において、早期の事業化に向け取り組んでいます。1980年代から取り組み始めた海洋や宇宙などの未利用空間の開発構想を、研究開発段階から事業化へと展開するため、2018年4月1日に「フロンティア開発室」を新設しました。

企業理念「子どもたちに誇れるしごとを。」

渋沢栄一の教えである、道徳と経済の合一を旨とする「論語と算盤」を経営の基本理念としています。また、企業理念は「子どもたちに誇れるしごとを。」です。それが表れているプロジェクトとして、歌舞伎座の改修工事が挙げられます。日本の伝統芸能を象徴する歌舞伎座を改修し、未来に伝統文化を残していこうとするプロジェクトの一例と言えます。

清水建設の特徴としては、「ものづくりへのこだわり」が挙げられます。実際、清水建設は「他社牽制(けんせい)力ランキング」で4年連続1位に選ばれています。このランキングは、特許保有技術の多さを表しています。結果、他社が真似できない独自の技術を多く抱え、競争優位性をもつ企業が選ばれます。これまでに清水建設がものづくりのための技術開発に力を入れてきたことが分かります。

宮大工の安全を願う神事に由来する、伝統的な建築儀式である手斧始め(ちょうなはじめ)を仕事はじめの1月4日に本社で執り行っています(建設業で手斧始めを受け継いでいるのは、清水建設と金剛組(大阪)だけです。)。2019年5月10日には、宮内庁で行われた大嘗祭のための大嘗宮の建設の一般競争入札で、予定価格の6割の価格で落札し受注に至りました。 創業家である清水家の現在の当主は、七代目清水基昭です。清水地所社長、清水建設取締役を務めています。六代目当主の清水満昭は2020年現在、清水地所会長です。三金会の会員企業であり、第一勧銀グループに属しています。


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