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萩原工業株式会社

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合成繊維メーカーが開発したフラットヤーン技術

1892年、岡山県に、い草を使用した畳表や花ござの問屋、萩原商店として創業されました。その後、1962年、花ござのたて糸用ポリエチレン糸の製造販売を目的に独立し、現在は岡山県倉敷市に本社を置く東証一部上場企業です。ブルーシートの国内生産シェアトップを誇り、年商230億円で従業員数は502人。国内に8拠点、海外に11拠点を構えています。

1964年に開発したフラットヤーン技術が萩原工業の全製品の核となる技術です。このフラットヤーン技術、ポリエチレンは通常の形態のときには簡単に手でちぎれるほどの強度ですが、これを延伸することによってその強度が増し、手ではひきちぎれないほどの強さになります。ポリエチレンの分子は熱を加えて伸ばすと分子が配列し強度が増すという特徴を利用しています。

フラットヤーン技術を応用した新たな花形製品

フラットヤーン技術を応用した萩原工業の新たな花形製品、それがコンクリート補強繊維のバルチップです。バルチップはポリプロピレンを糸状に伸ばし強度を上げたものであり、通常のコンクリートにバルチップを混ぜるだけでコンクリートの補強効果を果たすという製品です。コンクリートは性質上、ひび割れしやすく、割れた後に崩れやすいという特徴を持っていますが、このバルチップを入れることによってその強度が向上します。

今まではコンクリートの補強に一般的に使われていたのはスチールファイバーと呼ばれる鉄の繊維でした。しかし時間が経つと錆びてしまい、コンクリートの劣化が発生してしまう課題を持っていました。そこで開発されたのがプラスチック繊維のバルチップです。スチールと異なり錆びることがないため建造物も長持ちします。今では、国内外のトンネルや高速道路、高架下などに使われており、世界35の国と地域で使われています。これにより、 2020年版のグローバルニッチ企業100に選出されました。「バルチップ」は日本だけでなく、海外においても、コンクリート補強ファイバーの代名詞として圧倒的なブランド認知とトップシェアを誇ります。

製造機械の自社開発から生まれたエンジニアリング事業

自社製品の製造設備を自社開発しているところが萩原工業の強みのひとつです。製造現場と製造機械開発が一体となることで、萩原工業の製造設備は飛躍的に進化を遂げました。また、その工学技術は、エンジニアリング事業部に引き継がれ、スリッター(ロール加工機械)、ワインダーなどの製造に活かされています。スリッター業界の中で最後発での参入でしたが、市場ニーズにあった多種多様な機械を提案・開発、また品質や作業効率に高い評価を得て、今日ではスリッター業界国内トップシェアに位置しています。


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