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株式会社白鳳堂

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細分化された工程ごとに職人を育成し、安定生産

約200年の間、筆づくりの歴史を持つ広島県熊野町で1974年に創業しました。月産約50万本にのぼる筆のすべてを広島県内自社工場にて生産しています。この生産能力を支えるのは、伝統技術を応用した工程の細分化と道具化です。80ほどに細分化した工程ごとに職人を育成することにより、高品質で多種な筆を安定して生産することを可能としています。


1975年には一部の製品が伝統工芸品「熊野筆」の指定を受けました。高品質商品を量産するための「筆の穂製造法」の特許も取得しています。また、ものづくりに対するこだわりが評価され、「第一回日本ものづくり大賞内閣総理大臣賞」を受賞しました。 2020年には、経済産業省が認定するグローバルニッチ企業100選に選出されました。

化粧筆で世界のトップシェアを獲得

白鳳堂は自社ブランドだけでなく、生産数の9割をOEM生産に振り向け、国内外の大手化粧品メーカーやメイクアップアーティスト系ブランドに化粧筆をOEM供給して、世界シェア約6割を誇っています。

国内の筆生産の8割占める熊野町

白鳳堂広島本社は、広島市から約20km東に位置する、熊野町にあります。この地はもともと、狭い農村でした。江戸時代後期に広島藩が農閑期の副業として工芸育成を奨励しました。村の有力者が筆製造の先進地だった奈良や有馬(兵庫県)から技術を習得したのが始まりです。明治期に学校制度ができ、義務教育で書筆が大量に使われるようになったことから生産量を拡大し、書筆や絵筆、化粧筆など筆全体の国内生産量に占める熊野町の割合は今や8割を占めています。化粧筆メーカーも白鳳堂のほか十数社が同町に位置しています。

ブランド価値を上げ、新たな伝統を築くことを目指す

伝統技術を背景に、白鳳堂は化粧筆市場を開拓してきました。これまで積み上げた高品質をテコに、ブランド価値の一層の向上策に乗り出しています。2014年、京都・洛中に旗艦店を開業しました。紙や硯(すずり)などを取り扱う店が並ぶ通りに立地し、鎌倉時代の歌人、藤原定家が居を構えた歴史のある場所です。旗艦店には書筆や絵筆のほか、化粧筆もそろえ、自社製品の良さを発信しています。「1度は下火になった筆技術」(高本社長)を現代に定着させ、新たな伝統を紡いでいくことを目指しています。


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