width=

Ippukuboxで伝統と未来をつなぐ憩いの時を
4代続く角もの漆器の老舗企業 高橋工芸

 width=

福井県鯖江市で4代続く漆器の老舗企業である高橋工芸様。100年近くお茶道具を作り続けてきた漆器の老舗企業が作り出す憩いの時間「Ippukubox」。今回は、高橋工芸様の歴史から、Ippukuboxを作るに至った経緯についてお聞きしました。

ここでしか作れないものを

 高橋工芸は福井県鯖江市において、早くから漆工品の製造・販売を行っている企業です。創業は1925年なので、もう少しで100年になります。
 創業から受け継がれてきた技術に現代風なアイデアを加えて、お客様に「憩いの時間」を提供しています。

 

4代にわたり受け継いできた「ものづくり」の精神

高橋工芸とは

 漆器物の土台となる「木地」というものには、「丸もの」というお椀などの器を指すジャンルと、「角もの」という箱状の工芸物を指すジャンルが存在します。高橋工芸では、四角いもの、特に箱物やお盆の「角もの」の生産を主としています。今は木地の生産は行わず、塗装しか行っていないのですが、もともとは木工所を経営していた曽祖父が、「角もの」の生産を開始したと言われています。河和田の地には師匠と弟子の関係を記した師弟帳があるのですが、頭から2番目くらいに曽祖父の名前があるそうで、越前漆器の生産地である河和田では、わりと初めの方から角ものの生産を始めていたようです。

一つ一つ丁寧に作り、お客様に心を込めて届ける

企業理念

 私は4代目として家業を継いでいますが、正直に言えば、曽祖父の顔も知らず、もともとは家業を継ぐ意志がありませんでした。10年ほど大阪での生活を経て、父の体調不良を受けて家に戻ることとなり、そのまま事業を継ぐ形に。そのため、具体的な「言葉にできる理念」は持っていないかもしれません。しかし、私たちが大切にしているのは「手作業」での製品制作です。製造工程に機械を導入している部分はありますが、それらは人の手によって操作され、製品の磨きや木工の部分も人の手で行われています。この手作業を続けることで、大量生産にはできませんが、一つ一つの製品に心を込めて制作しています。

 そして、私たちの製品は最初から最後まで人の手がかかっています。このことを胸に、お客様への責任感を持ち、丁寧に製品を提供したいと考えています。かつては作ったばかりの漆器がすぐに売れる時代もありましたが、現代ではそうはいきません。誰が、どのように使用するのか、その終着点を意識し、人の手で作られた製品を人の手に渡す、そのサイクルを大切にしています。

受け継いだ技術をより深く追求する

受け継がれる塗りの技術

 実は、漆器品の特徴的な黒いつるんとした塗りをするには、多数の工程を要します。まず、土台となる木材に下地塗りを施します。この下地に漆を塗り、サンドペーパーで研ぎ磨いて平坦で美しい状態にします。このプロセスを数回繰り返し、最後に最終仕上げの塗りを施して完成させます。この工程での漆の量や研ぎの度合いに関しては、固定の指標は存在しないため、長い経験と感覚が求められる部分となります。ここは感覚で覚えるしかないようなところですね。

伝統を活用する

 漆は越前漆器の特徴ではあるのですが、鯖江では伝統的な手塗りとは一線を画し、早くから工業製品としての漆器の生産を開始しました。これが成功し、産地としての鯖江の名声も高まったのです。このような流れから、塗料を吹き付ける手法や、伝統的な漆以外の塗料を使用した漆器の製造が発展しました。さらに、吹き付け塗装の技術は他の分野にも広がり、漆器以外の雑貨品の製造を手掛ける企業も現れています。
 伝統的な方法とは異なる多様な塗料や塗装の手法が取り入れられ、選択肢が広がってきたことで、弊社でもさまざまな技術が発展してきたと感じています。

100年後の未来に残る製品を

伝統と革新 「Ippukubox」

 正直な話をすれば、お茶道具を製造している企業は、今や本当に数少なくなってしまいました。一部の製品には、私たちが生産を止めたら、市場から消えてしまったものもあります。例えば、お茶をたてる際の机のようなもの。机自体は結構大きいのですが、紐や金具などの細かな装飾品も含めて、全体を一貫して製造できるところが少ないんです。もちろん作ること自体大変なのもありますが、ノウハウがない人が新たに製造を始めるには、あまりにコストが高くついてしまうことも課題の一つだと思います。
 そこで、なんとかお茶道具の製造を続けたいという思いで始まったのが「Ippukubox」です。
「Ippukubox」には、抹茶を点てるための茶碗、茶筅、茶杓、そして抹茶を保管する棗が含まれています。箱の内側には美しい越前和紙が貼られており、道具を保護することが出来ます。「Ippukubox」を使うことで、自分の好きな時に、手軽に自分の好みに合わせた抹茶を楽しむことができます。また、箱の蓋はトレイとしても使用することができ、お気に入りのお菓子を乗せることもできます。
 弊社ではこの「Ippukubox」の箱の部分を製造しており、塗装やデザイン、内部の和紙の取り付けまで担当しています。
 中のお茶碗や茶筅などは専門の問屋から仕入れているのですが、特にお茶碗は福井の備前焼のものとなっており、弊社の従業員との繋がりを通じて特別に焼いてもらったものです。つまり「Ippukubox」は、これまでの伝統的な技術を詰め込んだ製品なのです。

 

「Ippukubox」へ込めた想い

 我々の目標は、「Ippukubox」が、単なるお茶道具として使われるのではなく、さまざまな休息の時間を提供するアイテムとして発展していってくれることにあります。「Ippukubox」を手にすることで、購入してくださった方が少しでもリラックスできる瞬間を持てること、そんな時間を大切にしてもらえることを望んでいます。

 

憩いの時間

 実は、初めにこの商品を考えた際は、「憩いの時間」というものをコンセプトにはしていませんでした。しかし、コロナによる生活の変化がその考え方を大きく変えることになりました。思うように外出できないという外出の制限、さらには社会全体が殺伐とした雰囲気。それにより、家の中での時間がより重要視されるようになり、これからは家での安らぎの時間がより価値を持つようになると感じました。そこで「一服」という言葉の意味を「憩いの時間」と捉え直し、商品とともにその特別な時間も提供できたらいいなと思い始めたことからこのコンセプトとなりました。

 

海外の反応

 弊社が直接越境ECサイトを運営しているわけではありませんが、海外向けのECサイトを運営されている企業様で取り扱っていただいていたり、地域組合の青年部が主催する展示会で出展させていただいたりはしています。そこでの海外のお客様からの反応を見ていると、概ね好意的なフィードバックをいただいていると感じています。だからこそ、弊社の製品を海外市場に積極的に展開していきたいと思っています。そうは言っても弊社が直接取引をすることは難しいため、製品を海外へ広めてくれるパートナー様や代理店様との連携を模索しているところで、現在はそのためのネットワーク作りに積極的に取り組んでいます。

 

製品を通じて体験を提供する

 言葉や情報だけでは、心に訴えるというのはなかなか難しいと思います。本当に心を動かすような体験というのは、やはり体験を積み重ね、直接体感することでしか得られないものだと思っています。そのような体験を、弊社の製品を通じて提供したいと考えています。例えば「Ippukubox」を通して、お茶をたてる経験を提供するように。
 うちの製品を手に取った方が、一瞬でも心が安らぐ瞬間を感じてもらえたら嬉しいですし、それが私たちの願いです。

>>ホンモノストーリー動画はこちら

関連記事