width=

みやぎサーモン

 width=

本来のおいしさを保つため鮮度保持技術を施した銀ざけ

今回は、宮城県産養殖ギンザケの最高級ブランド「みやぎサーモン」をご紹介します。

みやぎサーモンの歴史

サケは、古くは縄文時代から利用してきたとされる我が国の食生活にとって欠かすことのできない魚種です。みやぎサーモンに使用するギンザケは、天然ではオホーツク海や北部太平洋海域に生息する冷水性の魚類で、水温20℃以下の水質の良い海域でのみ生息が可能であり、もともと日本には生息していない魚種でしたが、サケ科魚類の中でも比較的成長が早いことから養殖に適していると考えられ、宮城県志津川町漁業協同組合(現宮城県漁業協同組合志津川支所)の組合員が、1975年~1977年にかけて大手漁業会社の指導を受けて海面養殖試験を行い成功させたことで、本格的なギンザケ養殖が開始されました。翌年の1978年には約80トンのギンザケが生産され、10年後の1988年には宮城県の生産量は 1万トンを超え、平成26年の国内の養殖ギンザケ生産量のうち、宮城県の生産量は94%を占めるに至っています。

みやぎサーモンの特徴

「みやぎサーモン」は、宮城県産ギンザケを水揚げした後に、ギンザケ本来のおいしさを保つため鮮度保持処理を施した、高品質・高鮮度な魚です。水揚げの際に「活け締め」、「神経締め」と呼ばれる鮮度維持のための処理を施すことで、養殖ギンザケの最大の特徴である「新鮮で刺し身で食べられるサケ」にこだわった高品質、高鮮度な生食用のサケを「みやぎサーモン」と名づけています。身にツヤと張りがあり、とろけるような食感とあまい食味が特徴です。その特性は、鮮度保持処理を行うことにより、身をおろすために包丁を入れると刃を掴むような感触、身にツヤと張りがあり、「生鮮で刺身で食べられるサケ」という鮮度にあります。

宮城県は「養殖ギンザケ」発祥の地であり、誕生以来、当地で試行錯誤を繰り返しながら養殖技術を確立してきました。生餌から高品質の魚粉や大豆、ミネラル類を含む人工配合飼料であるEP飼料を100%用いて飼育する方法に切り替え、生餌由来の生臭みがなくなったことも大きな特徴です。また、活け締めによる鮮度保持処理の技術を向上させ、生食用養殖ギンザケの生産に取り組み、高品質で安定した生産量が確保できるようになり、宮城県の「養殖ギンザケ」は、水産加工、流通、販売を含めると地域の基幹産業となっています。

 生産量日本一、シェアは85%以上を誇る宮城の銀ざけ。その最高級ブランドが「みやぎサーモン」です。南三陸町、女川町、石巻市で育てられています。宮城県の牡鹿半島北部の沿岸は、東日本では数少ないリアス式海岸があり、水深が深くかつ静穏度の高い魚類の養殖に適した湾が多く存在しています。また、7月後半まで海水温が20℃以下と低いこと、さらに、県内や近隣に、蔵王山系等の豊富な融雪水を活用した種苗生産場が多く存在し、これらの種苗生産場から海面の養殖場まで稚魚を短時間で輸送することができることから、ギンザケ養殖に最適な環境となっています。

 稚魚のころから一匹一匹見守られ成長する銀ざけは、トレーサビリティ(卵から成魚まで誰がどのように育てたかが分かる仕組み)も万全。安全面にもこだわりぬいています。飼料は高品質な魚粉や大豆、ミネラル類を含む人工配合飼料であるEP飼料を100%用いて飼育し、活け締め等による鮮度保持処理の技術を向上させ、生食用銀ざけの生産に取組み、高品質で安定した生産量が確保できるようになりました。

宮城県産ギンザケ養殖が急速に伸びた背景には、(ア)養殖適性(成長が早い、耐病性がある、種苗の入手が容易)、(イ)商品性(生鮮出荷が主体、生食が可能、紅色が鮮やか)、(ウ)市場性(北洋鮭鱒、輸入鮭鱒、秋サケの入荷のない端境期に出荷できる)、(エ)生産・販売体制(漁業協同組合と企業が提携・協力し事業の推進拡大を行った)があったと考えられています。

また、宮城県においては、養殖ギンザケを生で食する食習慣があり、宮城県発行の「水産だより」(1991年8月、1993年1月)においても記載されているように、当時の生産団体である宮城県漁業協同組合連合会等が、県内及び首都圏向けにギンザケの需要拡大対策に取り組み、その中で生食用としての食べ方提案も行っていました。さらに、生食用養殖ギンザケの品質を向上させるため、生餌給餌から人工配合飼料に切り替わった1996年頃から、活け締め処理によるギンザケの生食出荷が本格的に始まりました。平成27年の宮城県の養殖ギンザケ生産量は1万 3千トンで、そのうち約5分の1について鮮度保持処理を施した、「みやぎサーモン」として出荷しています。  平成23年3月11日に発生した東日本大震災によりギンザケ養殖の養殖施設や養殖物など全てが流失したが、幸い、山間部で生産していた種苗は被災を免れ、翌年の平成24年からほとんどの生産者が、国の支援を活用することで、生産を再開出来ています。

みやぎサーモンの生産について

養殖場所は、生産地の地先海面(網生け簀)で行います。海面における養殖期間は、概ね11月~翌年7月頃までです。

飼料は、EP飼料を使用します。EP飼料は、工場で配合飼料に栄養剤等を適宜混ぜた後、高圧下で乾燥した多孔質ペレットとして成型したもので、養殖場ではそのまま手を加えずに給餌できます。EPは水がしみこむまでは海面上で浮くため、一時的に食べ残されてもしばらくは浮かんでいて後からでも魚が食べられること等により、さらに漁場が汚染されにくくなるメリットもあります(出典:「平成25年度 水産白書 」より一部抜粋(水産庁))

出荷前には、鮮度保持のための処理として、キリ等を用いて魚の中枢神経を破壊、脱血を実施したうえで、概ね5℃以下に保った海水タンクに漬け込みます。

みやぎサーモンの普及について

「みやぎサーモン」は、関係者が一致協力して、飼料の改良、「安全・安心」な出荷体制の構築、テレビ放送や各種イベントによる魅力発信を通して、ブランド化を推進したとして、平成27年2月16日に行われた「食材王国みやぎ」推進パートナーシップ会議第6回大会で、「食材王国みやぎ」推進優良活動表彰のブランド化部門で大賞を受賞しています。  また、平成28年2月25日仙台市内のレストランで開催した、市内のホテルの料理人ら約40人が参加した、「みやぎサーモン」の試食会において、試食メニューを作ったレストラン料理長からも「生臭さがなく、どんな食材や調理法にも合わせやすい。輸入サーモンに比べ脂が少なく、ヘルシー志向の食材でもある」と好評を得ました。


関連記事

EnglishJapanese