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経済産業省<GNT100(グローバルニッチトップ100)インタビュー>

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今回、GNTの概要や趣旨から今後GNTが日本経済にどういった影響を与えうるのか、といったように一歩踏み込んだところまで、幅広くGNTについて経済産業省 製造産業局 航空機武器宇宙産業課 総括補佐 山口様に取材をさせていただきました。

GNT100について

GNT(グローバルニッチトップ)とは

経済産業省が「ニッチな分野でありながらも世界トップシェア」を誇っており、かつ優れた経営を行っている企業を選定しました。これに選定された企業を「グローバルニッチトップ企業100選」として、経済産業省が表彰しています。

GNT100の概要や趣旨

優れた技術力やマーケティング力をはじめとする、卓越した技術を持つ日本の企業の中で、必ずしも一般の消費者には馴染みのない分野で戦って、既に世界のトップに立っている企業があります。グローバル競争が激しくなる中でそういった企業を把握し、モデルとすることで日本の産業活動を盛り上げていきたいという趣旨で2014年にGNT100の活動を始めました。
その後、米国と中国の貿易摩擦に代表されるような政治経済情勢の変動や、デジタル化などが進み、「ものづくり」自体の競争環境が激化するなど様々な事情変化がありました。
そこで、2020年に改めてグローバルニッチトップ企業を選定し直すこととしました。

2014年にスタートすることになったきっかけと2020年に改めて選定し直したきっかけ

現在高いシェアを持っている大企業でも、グローバル経済ではコスト競争に陥る可能性があります。
それ自体は続けるのが難しいですし、中国のキャッチアップなど「ものづくり」自体の競争が熾烈になっている中で、日本の競争力を維持するためには、コスト競争に陥らない独自の技術や市場開発の能力を持つ企業を探していく必要性を感じていたことがスタートのきっかけです。
そして2020年において、前回に比してそうした傾向が顕著になってきたため改めて選定し直す運びとなりました。

GNT100の選定はどのような基準で行ったのか

まずは「グローバルニッチトップの商品・サービス」を持っていることを基準とさせていただきました。具体的には、大企業なら100億以上の市場規模があり概ね20%以上の世界シェアが取れていること、中堅・中小企業なら概ね10%以上の世界シェアを持っていることになります。実際にはもっと高いシェアを誇っていらっしゃる企業が沢山ありました。
また、ユニークな商品・サービスを製造しているだけではなく、収益や戦略の観点や競争優位性、海外展開しているかといった国際性も評価の基準とさせていただきました。
以上の基準をもとに、できる限り定量的に選定を行わせていただきました。

2014年と2020年で選定基準の変化や選定された企業の変化はあったのか

基準においては、前回よりも国際的な環境が複雑化していることから、サプライチェーン上の重要性を重視させていただきました。例えば納品先企業の企業名や領域、競合企業などを詳しく調べ、選定の際の考慮材料にさせていただきました。
また企業については、デジタル要素を取り入れている企業が増えたように感じました。商品設計やサービスの提供においてIoTやAIなどを用いて、顧客ニーズを踏まえたトータルパッケージの製品開発をされている企業が多かったです。

GNT100に選出された企業に対する施策について

GNT100の活動を日本や世界の企業に認知してもらうための活動

GNT企業の商品・サービスの概要やビジネスモデルなどをまとめた選定企業集を公式にて発表させていただくことや、メディアの方に取りあげていただくことで認知を広める効果があると感じております。GNT100の公表後にはテレビや新聞などにも取り上げていただいたりもしました。そうしたメディアの方々の取り組みに助けられております。
世界に対する活動につきましては、GNT企業の方から新たな国に進出したいという要望がございましたら、ジェトロ(日本貿易振興機構)による支援をしています。他方で、これからの部分もあります。例えば、海外向けに英語の発信をするといった活動も必要と思います。

GNT企業が日本ないし世界に与える影響について

GNT企業の選定にあたり、今後日本を発展させる展望は見えたか。

経済産業省としましてはGNT企業を選定する中に日本産業全体の競争力を維持するヒントがあると考えています。GNT100に選出した企業はニッチな分野でありながらも収益性や競争優位性、戦略性、そして国際性を備えています。こうした企業を発見し、彼らのビジネスモデルを優れた事例として分析・紹介することで日本産業全体の向上につながると考えます。

GNT企業のDX戦略

GNT100に選出した企業の中には、デジタルの要素を入れて技術とのイノベーションを図る企業もあります。経済産業省としても、モノづくりだけでなく、デジタル分野のキャッチアップも推進し、産業全体の支援を行わなければならないと考えています。

GNT企業が抱える課題

ニッチな分野で世界のトップシェアを獲得するGNT企業であっても、それぞれの課題を抱えているのも事実です。例えば、ニッチな分野であるからこそ生まれる人員不足問題や、事業化・収益化までに長い時間がかかるといったものです。経済産業省としましては、そういった企業の課題を解決するための施策を考えています。人員不足問題に対しては、知名度の向上を図るためにGNT100として表彰するだけでなく、コロナ禍においても新卒採用を継続しているGNT企業を取り上げ、経済産業省のHPに記載しています。

海外模倣品対策について

GNT100に選出された企業は各々が独自の技術を持っており、他社の模倣を許さないという側面があります。しかし、その技術の流出を防ぐために特許などを活用することも当然重要です。認証の取り方をはじめ、特許の活用方法などを実際に特許庁の部局と組んでセミナーを開催するなどの支援をしています。

<GNTインタビューを終えて>

まず初めに、日本経済全体の発展に尽力されている方のお話を直接聞く機会を頂けたことをとても嬉しく思います。
今回のインタビューでは、ニッチな分野でありながらもグローバルに活躍するGNT企業を選出された背景から、今後日本の産業全体がどのように発展していくかなどといったGNT企業が与える影響までご教示いただきました。 国としてはできることに限りがある中で、日本経済のために尽力されている姿に感銘を受けました。


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