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万能のおつまみ、いぶりがっこ<GIインタビュー>

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お酒のおつまみとして重宝されており全国的な知名度があるいぶりがっこですが、地理的表示(GI)保護制度の登録を受けた産品であることはご存知でしたか。今回は、秋田いぶりがっこ振興協議会の会長である鈴木 辰美 様に取材させて頂きました。
取材の一環として私もいぶりがっこを頂きましたが、非常に美味しかったです。そのときの食べ方や感想も載せていますので、良かったらお付き合いください。

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いぶりがっこの魅力や特徴

いぶりがっこの始まり

収穫時期の11月頃は、雪や雨が降るなど天候が悪く、外干し大根では乾燥が上手くいかなかったんですね。そこで、先人の方々が住宅の囲炉裏の上に大根を干したのが始まりだといわれています。昔の秋田のいぶりがっこは、塩度が高くかなり塩辛いものでした。田植え(5月下旬~6月頃)のおやつのおにぎりの具やお酒を飲むときのおつまみに大活躍でした。
しかし、需要がなくなりまして、今度は一般家庭で漬け物を漬けなくなりました。それで、いぶりがっこを漬けている方々が一般家庭に売るようになりました。そして、昭和40年代頃からたくあんを漬ける家庭が少なくなり、いぶりがっこが市場に出回るようになりました。
現在、いぶりがっこは色々研究されておりまして、最近の研究ではGABA(ギャバ)が多く含まれていることが分かってきています。

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豊富な栄養

それから、乳酸発酵させたたくあんですので、調理液に漬けたたくあんとは全く成分が違います。乳酸発酵ですので、非常に体にいい成分が沢山入っています。また、米ぬかに漬け込んでおりますので、米ぬかに含まれているビタミンなどの色々な栄養が、いぶりがっこのたくあんに移っています。それらが、いぶりがっこの魅力かなと思っております。

生産のこだわり

燻し作業を一番こだわっております。燻しが不味くなりますと、仕上がった商品も不味くなります。燻しのやり方が、いぶりがっこを作る上でひとつのポイントになると思います。

どのお酒にも合う万能のおつまみ

どのお酒にも合います。現在、日本酒とセットで販売しているメーカーもございます。それから、ヨーロッパやアジアの方では、ワインやウイスキーのおつまみにいぶりがっこを一緒にセット販売している業者も出てきました。
日本酒、ワイン、ウイスキーどれでも合いますので、酒のつまみにぴったりです。それが、最近人気を呼んでいる理由かなと思っております。

実際に食べ飲み比べてみました<GI実食>

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まずは、スタンダードにいぶりがっこを頂きました。
燻した香りが、噛んだときに口の中に広がりました。食べ終わった後にも香りを感じられるほどしっかりと燻製されたいぶりがっこを楽しめます。また、独特の食感があるので、いぶりがっこならではの食感が楽しめます。

日本酒のおつまみにいぶりがっこを頂きました。
日本酒の香りといぶりがっこの香りの相性が非常に良いです。
一口の満足感がとても高く感じられました。食べ飲み終わった後にも、いぶりがっこの香りの余韻を楽しむことができました。

いぶりがっこにクリームチーズを乗せて、ワインと一緒に楽しみました。
いぶりがっこがモッタリとしたクリームチーズで包まれていて、いぶりがっこの香りを感じることができながらクリーミーさも十分に感じられました。
ワインがグイグイ進んでしまうほど、ワインとの相性も良かったです。

シメに、お茶漬けの上に細かく刻んだいぶりがっこを乗せて頂きました。
普通のお茶漬けとは違った風味が感じられました。歯ごたえがあり風味もしっかり感じられるため、シメの料理としてだけではなくお酒が飲めない方でも、このお茶漬けは十分に楽しめるのではないでしょうか。

秋田いぶりがっこ振興協議会様について

秋田いぶりがっこ振興協議会は、GI登録の認証を頂くために県内のいぶりがっこ生産者団体で結成した組織です。振興協議会ができる前は、主に振興協議会に参加した三団体の構成員によっていぶりがっこの生産が行われていました。
ひとつは「秋田いぶりがっこ協同組合」、もうひとつは「秋田県漬物協同組合」、もうひとつの団体は「横手市いぶりがっこ活性化協議会」です。この三団体で、県内の多くのいぶりがっこの生産者をまとめていました。
しかし、農林水産省のGI登録をするためには、秋田県内がひとつにまとまって申請する必要がありました。秋田いぶりがっこ振興協議会は、そのために作った協議会であります。そして、協議会が中心となりGI登録のための手続きを行い、昨年の5月にGI登録の認証をうけました。それが協議会のこれまでの流れであります。

地理的表示(GI)保護制度への登録について

GI登録を受けようと思ったきっかけ

GI登録を受けようと思ったきっかけは、他県からの危機感がきっかけになっています。他県からもいぶりがっこが販売されていました。私たちは、いぶりがっこは秋田県の伝統食品であり貴重な財産であるという考え方から、「このままでは各地で色々ないぶりがっこの類似品が登場してくるのではないか。」という不安が出てまいりました。GI登録を受けることによって秋田県のいぶりがっこを守ろうという観点から、振興協議会を設立しました。

晴天の霹靂

GI登録を受けたことで、状況が大いに変わる予定で昨年の5月には大喜びしていました。しかし、その後コロナの影響が出てしまいました。いぶりがっこは、観光土産にも買われていましたし、それから居酒屋、ホテルなどの中食の需要も非常に高く、居酒屋では非常に需要がありました。しかし、コロナの影響でこれらが非常に少なくなったので、大きな打撃を受けております。
スーパーマーケットに卸している分の売り上げはあまり変わりないですが、売上の半分は観光地のお土産でしたので、全体の売上は半減しております。

GIへの期待

GI登録が出来ましたので、他県の方々が「いぶりがっこ」という言葉を使う危険は無くなると思います。GI登録つまり地理的表示(GI)保護制度は、「農林水産省がGI登録されたものを知的財産権として名前を保護する」というシステムになっています。特許庁の特許については、特許を取った人が自分で守る。GI認証については、農林水産省が責任をもって保護していくということになっています。協議会としても類似品の監視を行いながら、農林水産省のGI認証によって守られるものだと思っています。

海外展開について

現在、海外に何社か販売しております。先ほど申し上げましたとおり、現在は日本酒とセットで販売されていまして、私の知っている限りでは台湾、タイ、スペイン、フランスなどに、少しずつですが出ています。GIは、ヨーロッパなどに輸出するには絶対に有用な登録制度ですので、GI登録を受けたという事は、今後海外へ飛び出していく条件が整ったという事にもなると思います。これは、これからの大きなテーマになると思います。

これからの課題

今は県内、各農家、それから大量に生産している企業も数社出てきていますが、それぞれの味や燻製の仕方は、それぞれの農家、それぞれの企業によって異なっています。これをどうやって品質を統一していくかというのが、これからの課題です。それぞれの味にそれぞれのファンがついておりますので、味を統一するということがなかなか難しい状況になります。いずれは、「いぶりがっこっていうのはこんな味なんだよ。」というのを全国に認知してもらえるようにしなければならないと思っています。現在、まだGI登録から一年ですが、味の統一や品質の統一などについては、これからの大きな課題といっても良いかと思います。

GI登録産品となったいぶりがっこ<インタビューのおわりに>

GI登録は、まさに国が認めた財産です。現在すでにいぶりがっこは海外で販売されていますが、GI登録を受けたことによって、ヨーロッパをはじめとして様々な地域や国へ広がっていく道が大きく開けたといえるでしょう。

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